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2024/10/07TOPICS
響都グラフティー/オフィシャルレポート

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LIVE REPORT
ROTTENGRAFFTY 25th Anniversary “響都グラフティー”
2024/10/6(日)京都パルスプラザ
 
1999年から2024年…今年25周年を迎えたROTTENGRAFFTYが、1月から9月にかけて全国42ヶ所を巡る“Blown in the Reborn Tour”を経て、地元・京都のパルスプラザでワンマンライブ ROTTENGRAFFTY 25th Anniversary “響都グラフティー”を開催した。
 
パルスプラザは彼らが主催するフェス“響都超特急”の会場でもあり、ファンにとってはお馴染みの場所。当日は早い時間から多くの観客が集い、物販には長蛇の列。ホールの外にはFOODコーナーやフォトスポットの他、過去のツアーポスターやフライヤー・雑誌記事なども展示してあり、様々なTシャツに身を包んだ来場者は開演を心待ちにしながら、思い思いに過ごしていた。
 
たくさんの観客が詰めかけたパルスプラザにどんどん熱気が貯まっていく。開演予定時刻である17時を少し過ぎた頃、やべきょうすけ氏のアナウンスが始まり、客席から拍手と歓声が沸き起こる。数時間前に決定したというやべ氏の影アナによる挨拶と注意事項の説明、そして「存分に盛り上がってください!」という力強い言葉に大きな歓声が返される。待ちに待った時間が来た。
 
ステージ後方の大型ビジョンに歴代のバンドロゴが映し出され、SE「610行進曲」が流れ始めて客席は一気にヒートアップ。手拍子と歓声の中、SEはバンド初期の「Rotten」へと変わり、ほどなくメンバーがステージに登場。ステージが大きな歓声に包まれる中、MASAHIKO(G.)が命を吹き込むようにギターを炸裂させた。
 
ライブの幕を開けたのは「ハレルヤ」。ステージ上の5人とオーディエンスのテンションはいきなりMAXに達し、HIROSHI(Dr.)と侑威地(Ba.)が繰り出すリズムに合わせてたくさんの掛け声がステージに返される。N∀OKI(Vo.)はギラリと眼を輝かせて「わかってるやろうな? 跳べ!」と叫び、オーディエンスは更に高くジャンプ。
 
次に鳴り響いたのは、視界が興奮で塗りつぶされた「SPECTACLE」。MASAHIKOがギターを響かせ、N∀OKIとNOBUYA(Vo.)の攻撃的なヴォーカルが立て続けに差し込まれる。開けたサビのメロディに意識が吸い込まれ、オーディエンスは一心不乱に気持ちを爆発させる。心が激しく動かされる快感に酔いしれ、他では味わうことが出来ない狂騒にのめり込んでいく。
 
N∀OKIが「剥き出しで来い!」と叫び、観客とのコール&レスポンスでスタートした「夕映え雨アガレ」。スタンディングエリアの興奮は最高潮に到達し、ダイバーが宙を舞っては流れていく。そんな盛り上がりを見せる客席をN∀OKIは鬼の形相で睨み、NOBUYAは「かかってこい!」と言わんばかりに指をさす。MASAHIKOのソロで更に興奮が加速し、「心から、心から、ありがとう!」とN∀OKIが叫ぶ。MCだけではなく、演奏中にステージから放たれる言葉のひとつひとつが力強く心を掴んでくる。
 
N∀OKIが「隠してないで、今日にしか見せられないものを全部見せてくれ!」と言って「かくれんぼ」へ。軽快なリズムに乗せて泥くさいバンドマンのマインドを詰め込んだ同曲に感動していたら、今度はNOBUYAが「声出さんかい!」と叱責。ツインヴォーカルによるアメとムチがたまらない。
 
オーディエンスが笑顔で拳を振り上げ、力いっぱい声を張り上げて一緒にライブを作った「世界の終わり」。ステージと客席がぴったり息を合わせた「一撃」の大きな一体感。NOBUYAとN∀OKIのヴォーカル、MASAHIKOの切れ味鋭いギター、侑威地の重厚に響くベース、HIROSHIの心地良いリズムが重なり合い、中毒性の高いアンサンブルで魅了した「TIME IS OVER」、ゾクゾクするほど艶っぽいロックな世界を作り出した「ASIAN MARKET POW」。メンバーそれぞれが出すひとつひとつの音や言葉はとても攻撃性が高いのに、それがバンドとして鳴った瞬間、我々の心を掴んで離さない。
 
N∀OKIが「老若男女、集まってくれてありがとう」と改めて感謝の気持ちを告げる。客席にいた子供を目にして「お子さん連れの方、すごく元気な子に育ってくれると思います」とほのぼのしたMCで和ませたのも束の間、「屋根を突き破るくらいにぶっ飛んでくれ!」と「PLAYBACK」をスタートし、「SHRED」と続けて会場は再び狂乱の渦へ。立て続けに「STAY REAL」「銀色スターリー」とキラーチューン連射。最初から暴れっぱなしのオーディエンスは更に勢いを増し、ステージの5人に負けじと拳を更に強く握り、汗だくで声を張り上げる。
 
続いて鳴らされたのは、「全部この街から!」というN∀OKIの力強い言葉が予感させた「響く都」。京都に来たからには、この曲を聴かずには帰れない。琴線を震わせるリフに胸を焦がし、郷愁感を帯びたメロディが耳から離れない。全員が腕を振ってのお祭り騒ぎで踊り狂い、大きな一体感に包まれる。
 
そしてMC。NOBUYAとN∀OKIが今年1月から全国42ヶ所をまわった“Blown in the Reborn Tour”を振り返っていく。N∀OKIによると、今年は3日に1回ライブを演っている計算になるらしく、過去25年間でいちばんメンバーと会っているとのこと。いつも以上にフランクな感じでしゃべっているなと思ったら、今回のツアーからNOBUYAとN∀OKIでぐたぐだとしゃべるMCをしているとのことで、やがて2人の会話はどんどん本筋から外れていき、HIROSHIのステージ衣装の話やNOBUYAの尿管結石など病気の話題になって観客の笑いを誘いつつ、NOBUYAが本筋に戻して「でも今はめちゃくちゃ楽しい」と現時点でのライブの感想を言えば、N∀OKIが「持続しながらここに立っていることがすべて」と今の実感を口にし、客席から拍手と歓声が沸き起こる。
 
ライブは後半へと突入。観客1人1人が頭上に掲げたスマホのライトで照らされながら披露した「ハロー、ハロー」で心を震わせ、ビジョンに映像と歌詞が映し出された「Blown in the Reborn」が深く胸に突き刺さる。この曲は25周年ツアーのタイトルにもなっている通り、そしてN∀OKIが先ほどのMCを「未だ見ぬ世界へ突き進むだけ!」と力強い言葉で締め括った通り、今後のバンドの意志と指針を示しているのだろう。25周年を迎えてもなお、初期衝動のような熱さを持った彼らのマインドに恐れ入ると共に、貪欲なまでに前のめりな姿勢がとても頼もしい。
 
矢継ぎ早に音と言葉を放ってオーディエンスの魂を共鳴させた「永遠と影」、巨大なサークルを生み出して踊り狂わせた「D.A.N.C.E.」と彼らは一切手を緩めない。NOBUYAが「楽しいだけで終わりたくない。お前らと面と向かって殺し合いたいんです。かかってこい!」と吠えてN∀OKIと共に客席エリアへと突入した「THIS WORLD」へ。会場の温度はグングンと上昇し、踊り、揺れ、歌い、叫び、飛び跳ね、腕を振り上げ、モッシュとダイブが同時に多発。これほどまでに全員が暴れ狂いながらも多幸感に包まれた空間は、他に無いだろう。
 
ライブが佳境へ入る前に、もう一度まとまったMCが用意されていた。N∀OKIの進行で、メンバー1人1人から挨拶をするというブロックが設けられる。MASAHIKOが自分の人生とROTTENGRAFFTYの25年間を感慨深げに重ね合わせ、侑威地はライブでのオーディエンスとのやり取りについて「これがあるから生きてこれた」と実感を口にし、HIROSHIは「25年辞めなくて良かった」と吐露。NOBUYAはまずスタッフへの感謝を告げた後、バンドと音楽について心根にある強くて真っ直ぐな想いを語り、N∀OKIはまるで歌うように自分の気持ちを生々しく言葉に乗せて「これまでも、死ぬまでも、メンバー、皆様、よろしくお願いします」と頭を下げた。
 
5人の言葉すべてが突き刺さって、涙が溢れそうになった。誤解を恐れずに言うならば、そしてライブレポートとしては失格かもしれないが、今日のハイライトはこのMCだったかもしれない。人間くさくて、真っすぐで、純粋で。我々がROTTENGRAFFTYというバンドに惹かれ続けてきた理由が、5人の言葉に詰まっていた。
 
そしてライブは本編最後のブロックへ。今日のイベントタイトルが実は曲のタイトルだったことをN∀OKIが明かし、未発表の新曲「響都グラフティー」がスタート。京都に由来する固有名詞が歌詞に散りばめられた同曲は、京都で生まれ、京都で育ち、京都を拠点に活動を続ける彼らを象徴するような曲だった。“感情が追いつかないくらいの剥き出しの果てまで”という歌詞の一節は、ROTTENGRAFFTYのライブを体験したときの心の状態が的確に表現されていて、ストンと心の中に落ちていくような感覚に包まれた。25年を経た彼らが、またすごい曲を作り出したことに鳥肌が立った。
 
エモーショナルなメロディとミクスチャーサウンドにぐっと気持ちを持ち上げられる「e for 20」で感情を高ぶらせ、殺傷力の高いサウンドに反応してダイバーが沸騰した「零戦SOUNDSYSTEM」で暴れた後、全員の大合唱で「金色グラフティー」へ。散々盛り上がっている客席に向けて「ダイバーの数が少なすぎるやろ! ナメてんのか!」とNOBUYAが怒り、「全員剥き出しで来てくれ!」とN∀OKIが叫ぶ。会場がどんなに盛り上がろうともMASAHIKO、侑威地、HIROSHIの3人は一丸となって強固なアンサンブルを構築し、会場全体の狂乱を更に加速させていく。全力で宙を舞い、ステージの方へと落ちていったダイバーはヘトヘトになっているはずなのに、汗だくの笑顔で走って客席に戻り、また人の波に身を投じていく。会場は、感情が追いつかないくらいの剥き出しの果てへ到達する。
 
力を振り絞って拳を振り上げ、「秋桜」を全員で歌う。踊り狂い、暴れ狂い、思う存分に楽しみ狂った後、NOBUYAの「俺たちが京都に生まれたROTTENGRAFFTYだ」という切口上で本編が終了。
 
アンコールは、タイトなショートチューン「暁アイデンティティ」の凶暴なサウンドを浴びて再び暴れ、N∀OKIが今の気持ちを歌詞に乗せた「マンダーラ」に心を震わせ、「継続、継続、継続、続行。そして常に自分を信じろ!」というその言葉を胸に刻み、「Familiarize」を一緒に歌い、最後は「1999年、俺らを遠くに連れて行ってくれた曲」とN∀OKIが紹介して会場中に笑顔を溢れさせた「切り札」で全編が終了。
 
ROTTENGRAFFTYの25周年を記念したワンマンは、全27曲、約2時間45分ほどに及ぶ、濃密で濃厚なものだった。琴線に触れるメロディ、熱く激しいサウンド、ダイレクトに響く歌詞、メンバーそれぞれの生々しい気持ち。そのすべてが宝物になる、素晴らしい一夜だった。

TEXT/Takeshi Yamanaka(ジャングルライフ)
Photo/Yukihide”JON…”Takimoto

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