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So…Start / KAZUOMIオフィシャルインタビュー

So…Start インタビューキャッチ画像

ここでしか読め無い、KAZUOMIのオフィシャルインタビューを一挙公開!

So…Start 初回ジャケット

ROTTENGRAFFTY
KAZUOMIインタビュー

New Single『So...Start』
1.So...Start
2.アウトサイダー
3.今夜はブギー・バック nice vocal

●早速ですが今年の春、ROTTENGRAFFTYが所属するパインフィールズの社長・松原さんがガンになったことを発表されたじゃないですか。パインフィールズに所属して以来、ROTTENGRAFFTYはまさに二人三脚で松原さんと進んできた印象があったので、ナイーブな話かもしれませんが、まずそのことを聞きたかったんです。

KAZUOMI:松原が病気になったことは、ROTTENGRAFFTYの活動に間違いなく影響しています。作品にもたぶんその影響は出ているだろうし、だから今回“Start”という言葉を使いたいと思ったのかもしれない。直結していない部分もありますが、自分たちや周りにいる人たちの心情は、“Start”という言葉がいちばんしっくりくるという感覚が僕の中にはありました。

●直感的に?

KAZUOMI:直感的に。ウチの社長は本当にすごく気を遣う人なので、なるべく周りの人たちをガッカリさせたり心配かけたりしないようにと考えた上での、ちょっとジョークも交えたような発表だったと思うんですけど、まあ…この話は結構難しいですね…(笑)。

●すみません。この話をオフィシャルインタビューに載せるかどうかも考えずに、いきなり訊いてしまいました。

KAZUOMI:いや、もちろんナイーブな話ではあるんですけど、でもしゃべらずにはいられないことですからね。やっぱりパインフィールズに入ってまたROTTENGRAFFTYが動き出せたし、二人三脚でずっとやってきたから。ウチの社長がガンになっちゃって…良かったのか悪かったのか…というのは、社長はROTTENGRAFFTYのことだけじゃないですけど、プライベート全てを犠牲にして仕事に取り組むような人。そういう生き方をしていると、病気になってしまったのも仕方なかったのかな、とも思うし。でもそうなってしまったことで、他にいるスタッフやマネージャー、が“自分で考えなあかん”という意識になったと思うんです。

●はい。そうですね。

KAZUOMI:それは僕達も一緒で。もちろんROTTENGRAFFTYはセルフプロデュースでやってきていますが、事務所と共に考えながらやってきていて、すごく頼っていた部分もあります。でも今回の社長の病気のことがあって、“だから始めるんだ”っていう意識になったというか。僕の中ではすごく直結しているんです。

●心境的な部分で。

KAZUOMI:はい。でも“Start”といっても「ヨーイドン!」じゃなくて、いろんなことがあるけど心の中で“じゃあ始めようか”というニュアンスにしたかったんです。今まで生きてきたけど、きっとこの先もたぶん考えもつかないような壁がいっぱいあるだろうし、それを全て飲み込んで“始めようか”という…そういうことを考えて「So...Start」の歌詞を書いたんです。

●“Start”という言葉はどういうきっかけで出てきたんですか?

KAZUOMI:曲を作っている最初の段階は鼻歌で作っていたんですけど、その時点から“So...Start”というフレーズはあったんです。きっとその時点では口触りだけでそう歌っていて、意味は特に考えていなかったんですけど。

●ということは、さっきおっしゃっていた心境に結びついたのはその後?

KAZUOMI:はい。ROTTENGRAFFTYの作曲は僕がほとんどやっているんですが、曲を書いた後に歌詞を書くんですね。「So...Start」も先に曲を書いて、後から歌詞を付けたんですけど、“歌詞を書こう”と思って書いていったら、結果的にこういう内容になった感じです。

●ほう。

KAZUOMI:“こういうことを書こう”と思っていたわけじゃなくて、こういうことしか頭に出てこなかったというか。「So...Start」を作った後も、“この曲でほんまにいいのかな?”とか“他にもっとないかな?”といろいろ悩んで、レコーディングに入るまでにも他に何曲か作ったんです。でもその中で“今のROTTENGRAFFTYはこれかな”と思えたのが「So...Start」だったんです。

●心境的にも音楽的にも、“今のROTTENGRAFFTY”に合っていた。

KAZUOMI:そうですね。そんなに小細工をしているわけでもなく、ストレートなものというか。曲作りとして新しい試みは常にやっているんですけど、すべてを変えるほどの真新しさは、僕の中では今回はそこまで必要じゃなかったというか。たくさん曲がある中で“シングル曲はどうする?”と考えたとき、今回はこれかなと。バンドのストーリーや歴史も関係していると思うんです。いろんな新しいことをやってきて、もう一度原点を振り返ることが、そのアーティストにとって新しいことになる場合もあるだろうし。「So...Start」はそういう感じかな。

KAZUOMI

●「So...Start」は既にライブでも演っていますよね?

KAZUOMI:はい。シングル発売前にツアー“So...Start Listen To New Song Tour 2016”をやったし、フェスとかイベントでも演っていて。昔、レコード会社とかに所属する前は、曲を作ったらまず披露するのはライブハウスだった。ライブハウスで初めてお客さんに聴いてもらって体感してもらって、それを何回か繰り返して曲を深く理解してもらって。それはお客さんだけじゃなくて演奏する僕達メンバーも同じなんですよね。それをもう1度やりたかったんです。

●ライブで曲を育てるというか。

KAZUOMI:一緒に作るというか。僕らもまだミックスが終わってない段階でどれが正解かもわかっていない状態で、とりあえずツアーをまわって。やっぱりライブで感じることはいろいろと多いですね。プレイ的な部分でも“自分たちはどうするべきなんだろう?”って事を考えるライブになったし、もう一度昔のあの感じをやりたかった。本当にすごく面白かったです。

●そういう作り方は久しぶりなんですか?

KAZUOMI:そうですね。ここ最近はずっと先に音源を発表してからライブで披露してきていたので、今回はすごく新鮮だったし、楽しかったし、めっちゃ緊張したんです。ライブ中に“うわ! 次新曲や! どうなるんやろ?”って思ってました。

●当然のことながら、お客さんが知らない曲ですもんね。

KAZUOMI:お客さんにとっては正解も不正解もないので、どうしたらいいかわからないだろうし。そういう中で演れたのはすごく身になったし、昔の感覚を思い出しました。昔はライブハウスから1つ1つ作っていって、お客さんに“いいな”と思ってもらえたのがどんどん拡がっていくような感じだったんですけど、それをやりたかったから。

●リリース前にライブで演ったことで、ミックスに影響したんですか?

KAZUOMI:影響しましたね。だからすごく良かったんです。“ここにはもう少し音が必要だな”と思って音を加えたりとか、ライブで得た感触でバランスを変えたり。大きな影響はないかもしれないけど、細かいニュアンスとかは、ライブで演ったことで見えた部分があります。

●ということは、これからもそういう作り方で曲を作っている可能性はある?

KAZUOMI:やれるんだったらやりたいですね。今回やってみたけど、相当厳しい部分もあったから。

●厳しいというのは?

KAZUOMI:完成していない状態のままライブで演ったから、自由度があり過ぎるというか(笑)。

●ハハハ(笑)。

KAZUOMI:形になっているとはいえ、曲のガイドラインはそこまでカッチリ決まっていないですからね。“今のROTTENGRAFFTYがしたいライブはどういうライブだろう?”と考えたとき、そこをもう1度追求する必要があると思ったんです。こういう作り方は今回だけで終わるのか、次にどこかでやるのか、それは現時点ではわからないですけど、でもやれるんだったらまたやりたいなと思いますね。

●「自由度があり過ぎる」とおっしゃっていましたけど、他のメンバーはどういう感じだったんですか?

KAZUOMI:みんな必死に覚えてました(笑)。

●ハハハ(笑)。

KAZUOMI:でも発売もしてないから、歌詞を間違えても、違うことを歌っても、それも正解なんですよね。だからそういうところも含めてめっちゃ面白いんです。

interview1

●「So...Start」は5分近くあって、曲としては結構長いですよね。でも実際に聴いていると、後半でガラッと場面転換があって、ストーリー性があるから長く感じないというか。

KAZUOMI:もともとはこういう構成にするつもりはなかったんです。でもやっぱり作り手としては“デモを超えたい”というのがあるんですよ。というか、“デモを超えられない”というジレンマがあるんです。

●デモを超えられない?

KAZUOMI:はい。デモ音源ってめちゃめちゃ語で歌っていたり、僕はヴォーカルじゃないですけど自分で歌っていたりとかするんですけど、声がかっこいい/かっこよくないという話じゃなくて、ニュアンスがデモを超えられないという葛藤があるんです。作り手の人はみんなあると思う。

●ほう。

KAZUOMI:デモを超えられないし、デモのレベルのままで終わっているし、その先の感動が欲しいし、ストーリーが欲しいと思ったから、楽曲を改造していったんです。曲の始まりから最後までどこまでストーリー性を持たせることが出来るか? 最後のゴールはどこなのか?

●はい。

KAZUOMI:ゴールも無くスパッと終わるのがいい場合もあれば、すごく寄り道することによって最後にはすごいところに到達できたと思えるときもある。今回は後者だったんでしょうね。道のりを険しく険しくしていって、それが面白かったし、作っていて楽しかったからこういう形にしたんです。

●曲の頭から時系列で展開を付けていったんですか?

KAZUOMI:「So...Start」の場合はイントロがいちばん最後で、最初はバンドインから作り始めたんです。その後、“もうちょっとストーリーが欲しいな”と思って改造していって、あーでもないこーでもないと1人で試行錯誤して、最終的にイントロを付けて完成、という感じでした。

●展開を付けていくことについて「面白かったし楽しかった」とおっしゃったじゃないですか。KAZUOMIくんはいつも作曲で苦しむタイプだという認識だったんですが、「So...Start」はあまり苦しまなかったんでしょうか?

KAZUOMI:もちろん苦しみました。でもそれは作っている人みんなそうだと思うんですよね。苦しさはありますけど、そこで楽しむ気持ちがないと、あまり良くないんじゃないかなって思うんです。

●なるほど。

KAZUOMI:サラリーマン的な感覚で音楽を作り過ぎると…もちろんプロである以上それが出来ないとダメだとは思うんですけど…でも音楽を作る仕事はそれだけでは成り立たないと思うんですよね。

●楽しむことが必要だと。

KAZUOMI:うん。忙しいのは当然だし。普通の生活の中で“音楽を作る”ということを楽しめないとダメだと思う。楽しめないまま作った作品は、それが良いのか悪いのかは置いておいて、お客さんの前に胸を張って出せないですよね。自分の中で楽しんで、“良かった”と思えるのはやっぱり大事だと思います。

●それはKAZUOMIくんがいつも大切にしていることですよね。自分の中に高ぶりや感動がないと完成しない。

KAZUOMI:そうですね。特にバンドを長くやっていると、このバンドを好きでずっと応援してくれる人もいるし、長くやればやるほどいろんな人のいろんな気持ちを全部採り込んで、自分で放出していくしか道はないというか。だから絶対、作品の中に気持ちを入れる。それはずっと変わらない僕の中のテーマですね。

●「いろんな人のいろんな気持ちを全部採り込んで、自分で放出していくしか道はない」とおっしゃいましたが、長くやればやるほど、どんどんそれは大きくなりますよね?
KAZUOMI:なると思います。憧れている人や好きな人はそういうものを受け止め、ステージで堂々とバーン! と出来ると思うんです。僕もそんな風に生きていけたならと。

●覚悟というか。

KAZUOMI:うん、覚悟が必要ですね。曲を作るにしろ、ライブをするにしろ、人としゃべるにしろ。

●人としゃべるのも覚悟が要る?

KAZUOMI:僕ね、20代の頃は人見知りが激しすぎて友達が全然いなかったんですよ。今もそんなに人と話すのが得意なわけじゃないですが、“嫌な奴と思われてもいい”と覚悟出来るようになったというか。もちろん嫌な奴でいるつもりはないんですけど、昔は“嫌われたくないから”という理由で人としゃべらないとか、極端な行動を取っていた様に思います。

●“人に好かれたい”の裏返しで“人に嫌われたくない”という感情があった。

KAZUOMI:自分の昔の心情を探ってみると、そうだったと思います。

●だから“嫌われないためには、人としゃべらなければいい”となっていたんですね。

KAZUOMI:そこには意地もあるから「俺は友達を作らない」という姿勢も変に出てしまったり。そう思っていたんですけど“好かれるのも嫌われるのも相手の感受性に委ねるしかないし、どう思われても仕方ない”と思えるようになったら、人と話せるようになったんです。

●それは1つの覚悟ですね。

KAZUOMI:覚悟です。やっぱり覚悟って結構必要で。バンドとかまさにそうで、僕は“音楽と共に生きて行く”と随分昔に覚悟したんですけど、バンドをやっていく中で“色んな人と接していくことは音楽の糧になる”ということに少しずつ気付いてきて、それを実行してきたんです。

●音楽は自分の表現ですもんね。

KAZUOMI:自分の作品を聴いてもらうというのは、真っ裸を見せるみたいな事に近い。そこで賛否両論を受けて、特に今のネット時代はいろんなことも言われる。それも覚悟。それは本当に辛いことだけど、でもそれも自分のパワーに変えた方が、僕の音楽人生は幸せになると思う。

interview2

●「So...Start」の作詞クレジットはKAZUOMIくん、NOBUYAくん、N∀OKIくんの3人名義ですが、どういう風に歌詞を作っていったんですか?

KAZUOMI:歌詞のイメージが出来て、少しディスカッションしたんです。そこから各々が「せーの!」で書いていったので、基本的に全員の言葉が入り乱れてます。

●あ、そうなんですね。

KAZUOMI:サビやBメロは僕がだいたい書いているんですけど、“止まらないと見えない 足元を見つめ”はN∀OKI、その次の“忘れかけてたあの日を 空に歌った”は僕、とか。

●歌い手がその歌詞を書いている、というわけではないんですね。

KAZUOMI:違うんです。例えば“きっと、散々雨に打たれた/僕はまるでピエロさ Blue & Down”という部分はNOBUYAのバースなんですけど、ここは僕が書いていて。ここに関しては“NOBUYAやったらこういう歌詞がいいな”とか“こういう風に歌ってほしいな”とかイメージしながら書いたんです。

●なるほど。

KAZUOMI:ROTTENGRAFFTYはいつもそうなんですけど、誰がどう書いたとかがはっきりと分かれていなくて。だから歌詞はいちばん時間がかかりますね。どの言葉がいいのか? とか、どっちのヴォーカルが歌ったらいいのか? とか。同じ言葉でも、歌い手が変わると全然良くならないことってあるんですよね。人間性とか声色とか。どれがいちばんいい組み合わせになるのかを選ぶのも大変だし、声って楽器にもなるから、言葉だけを選んでいても全然良くならないし。“………が”と“………は”のどっちにするかで小一時間かかったりとか。「So...Start」も歌詞にすごく時間がかかりましたね。

●「So...Start」の歌詞は、ROTTENGRAFFTYの心境が節々に出ているという印象があったんです。“ガンガン”や“ギラつく”という言葉がありますけど、そういう攻撃的な姿勢がすごくROTTENGRAFFTYらしいというか、キャラクターが出ていますよね。

KAZUOMI:ですよね。言葉選びはすごく難しいし、“らしくない”と思われたり“ダサい”と思われたり、いろんなケースがあると思うんですけど、「So...Start」の歌詞はいろいろと試行錯誤しつつも、なるべく気持ちをそのまま言葉にしようと思っていたんです。“叶わない事ばかり 続くこの道/あの頃の様に 今も 踏み出せたなら”とか…本当に気持ちそのままですね。

●その箇所はすごく顕著ですけど「So...Start」で描かれている世界は、決してポジティブではないですよね。でもこの曲ではそういう世界を“人間楽園”と表現している。

KAZUOMI:覚悟を持って完成させることができたんだなって思います。叶わないこととか失敗とかは沢山あるし、“散々雨に打たれた/僕はまるでピエロさ”って悲観してるし、でもそんな中でも優しくしてくれる…僕たちの場合はライブに来てくれるお客さんとか周りの仲間とか…そういう優しさも逆に苦しくなったりとか。本当にそのままの心情を歌ってますけど、そんなことを“人間楽園”と言えているのは、やっぱり覚悟だと思います。どこまでいけるか、その覚悟をどこまで持てるか、もっともっと覚悟を持ってやって行きたいです。

●カップリングのM-2「アウトサイダー」はサウンド的にはヘヴィで、ミクスチャーで、展開も目まぐるしいですけど、メロディは突き抜けるようなキャッチーさがありますね。ROTTENGRAFFTYっぽいというか。

KAZUOMI:昔からROTTENGRAFFTYがやってきたような曲ですね。激しい部分と、そこから花開くような世界…その繰り返し。単純な繰り返しをスパッとやったというか。

●ということは、KAZUOMIくん的にはシンプルな部類に入るんですか?

KAZUOMI:すごくシンプルです。この曲の歌詞はNOBUYAとN∀OKIが書いてきたものを僕が最終的に編詩をした感じなんですけど、“怒り”なのか“攻撃性”なのか、とにかく2人が自由に書いてきたものを活かしました。“アウトサイダー”という言葉には“はぐれ者”という意味がありますが、みんなそういう疎外感だったり、“なんか違うな”という違和感を抱いていると思うんですよ。“人の道を外れた悪者”という意味ではなくて。

●みんなが抱いているような疎外感。

KAZUOMI:種類は違うと思うんですけど、“自分ははぐれ者だ”と思ってしまうような疎外感。でもそういう疎外感があったとしても「前に進め!」っていう。そういうことを歌う曲にしたかった。

●ということは、最初から“アウトサイダー”というテーマがあったんですか?

KAZUOMI:いや、デモの仮歌の段階で…デモはNOBUYAに歌ってもらったんですけど…その時点で“outsider”という言葉はあったんです。その後、いろいろと歌詞を考えていたんですけど、結局“outsider”の方がいいなと。だからデモをそのまま使った感じですね。

●デモの段階からメロディに言葉がハマっていたと。この曲を「So...Start」のカップリングに選んだのはどういう理由なんですか?

KAZUOMI:「So...Start」がすごく道のりが長いので、それとは違うシンプルな楽曲を持ってきたかったんです。

●それとM-3「今夜はブギー・バック nice vocal」は、オリジナル作品としては初の音源化ということですが、「So...Start」や「アウトサイダー」とはガラッと雰囲気が違いますね。

KAZUOMI:いいですよね(笑)。この曲は大好きだし、自分たちの持ち曲くらいの勢いでライブでも演っているし。アレンジも変えて、自分たちなりに演らせてもらっているので、いつか出したいなと思っていたんです。

●それが今回のタイミングだったと。

KAZUOMI:はい。この曲を僕たちが演っていることを知っている人は案外少ないんじゃないかなっていうのと、カヴァーはやっぱり楽しいいですからね。

●「今夜はブギー・バック nice vocal」は歌詞も変えていますけど、やっぱりカヴァーとオリジナルでは感覚が違うんですか?

KAZUOMI:全然違いますね。やっぱりカヴァーは既に名曲やから、いいに決まっているっていう安心感があるんです(笑)。

●ハハハ(笑)。

KAZUOMI:もちろん原曲とは違うアレンジで演っていますが、カヴァーならではの良ささがあるというか。面白いですね。

●1つの作品として見た場合、「今夜はブギー・バック nice vocal」があるからこそ「So...Start」と「アウトサイダー」も映えるというか。

KAZUOMI:3曲入りのシングルとして、その3曲でどれくらいのことを思ってもらえるやろう? と考えたとき、「今夜はブギー・バック nice vocal」がいいなと思ったんですよ。自分たちらしい楽曲がある上でこの曲が入ることによって、色がそれだけにとどまらないし、3曲ループして聴いてもらえるかなと思って。

●この曲を聴いてびっくりしたんですが、NOBUYAくんとN∀OKIくんの2人はこういう歌い方もできるんですね。

KAZUOMI:叫ぶように歌いますからね。ROTTENGRAFFTYではそういう歌い方しかしてこなかったから、「今夜はブギー・バック nice vocal」もそういうテンションで歌おうとして、キーが低すぎて声が出なかったんです。「いや、そういう風に歌っても良くならへんから」と言って(笑)。

●ハハハ(笑)。叫ぶように歌っていたんですか?

KAZUOMI:そういう風に歌おうとしたんですけど、キーもそういう高さじゃないから歌えなかったんです。「普通にしゃべるくらいのトーンで歌ってほしい」と伝えて。NOBUYAもN∀OKIもいい一面が出せたなと思います。あれくらいのテンション感で歌える声色っていうのも、ウチのヴォーカルが持っている1つの色。だからこの3曲は面白いなと思います。

●面白いですよね。バラードのようなまったりしたテンションじゃなくて、「今夜はブギー・バック nice vocal」のようなノリで2人の声が聴けたこと自体がすごく新鮮で。

KAZUOMI:“そういう歌を歌えるんだ”っていうね。だからこれを録ったときは嬉しかったなぁ。

●それと今回、初回限定盤にはライブ音源が7曲も収録されていますよね。これはどういうきっかけで?

KAZUOMI:僕、ライブ音源って結構好きなんですよ。今回LIVE CDにしたのはいろんな意味があるんですけど、ライブ音源ってiPodやiPhoneに入れてそのままライブを聴ける。車の中でもライブを聴けるじゃないですか。だからライブ音源って、他のアーティストさんのも好きなんです。

●はい。

KAZUOMI:それに7曲って何かのイベントの1ステージのサイズじゃないですか。そのサイズのライブを音源にしてCDで聴いてもらうっていうことはやりたかったことなんです。それと、LIVE DVDはここ最近コンスタントに出せてきたんですけど、“今やってないこと”と考えたとき、それはライブ音源だったんです。選曲も“今のROTTENGRAFFTY”というものにして。

●この7曲を収録した現場も全曲同じライブではなくて、4つのイベントなんですね。

KAZUOMI:そうです。何か一夜のライブをそのまま収録するだけよりも、こういうセットリスト…「世界の終わり」で始まって真ん中で「Error...」をするようなライブってまず無いんです。だからライブ音源でしか聴けないセットリストをどう組むか? みたいな感じで、ライブをやるようなイメージで選曲したし順番も考えました。会場も違うから、“ポルノ超特急2015”で収録した「世界の終わり」「響く都」「金色グラフティー」とかはすごく広い会場の雰囲気が出ているだろうし、京都MUSEで録った「P.I.L」だと僕らがずっとやってきた広さ感を感じてもらえるだろうし、そういう違いも味わい深いと思います。それぞれの会場の良さや規模とかを感じてもらいながら、でもその中でも全然テンション変わらずLIVEをするROTTENGRAFFTYを楽しんでもらえたらと思います。

●ライブ音源は想像できるのがいいんですよね。ライブを観たことがあるからこそ、ライブ音源だと聴きながら想像が膨らむというか。

KAZUOMI:映像だと答えがドーンと提示されているわけじゃないですか。それはすごく刺激的だし、ライブをリアルに感じたいからこそライブ映像やDVDに需要があると思うんですけど、ライブ音源はそうじゃない楽しみ方ができると思うんです。そこを楽しんでもらえたらいいですよね。漫画じゃなくて本、っていう感じですよね。画がないからこそ描ける。“あれ? この奇声は誰が出してるんやろ?”とか“このときNOBUYAはどんな表情してるんやろ?”、“このときN∀OKIはどうしてるんやろう?”とか。ライブに来てくれていたお客さんはもう1度その時のライブを描いてくれたらいいだろうし。ライブ音源っていいなぁ。僕、大好きなんですよ。

●そしてリリース直後には10/5に男性限定、そして10/6には女性限定のワンマンがありますが、こういう企画は面白いですね。

KAZUOMI:そういう限定ライブをやっているアーティストは他にもいますけど、僕らは今までやったことないからやってみようということで。たぶん10/6という日付に重きを置いてくれているファンの方はすごく多いと思うんですが、そういう人たちからすると“じゃあなぜ女性限定が10/6なんだ?”と思われると思うんです。でもそこは…気にしないで欲しい。どっちも本気でいくから。そこはもう関係ないです。にゃ。

●ハハハ(笑)。

KAZUOMI:実は最後まで悩んだんですよ。でも男の人を大事にしてるとか、女の人を大事にしてるとか、そういうことで選んでないんです。ただ、どうしても2日間やるとなったらどっちかが10/6になるのは当然のことで。本当にそれだけの理由です。

●どのようなライブになるのか想像がつきませんが楽しみですね。

KAZUOMI:楽しみです。

●そしてその後には東名阪ワンマンツアー“So...Start TOUR 2016”と“ポルノ超特急2016”が控えています。

KAZUOMI:ワンマンも楽しみだな~。これからセットリスト決めてゲネに入る予定なんですけど、しっかり準備して万全の体制で臨みたいですね。“ポルノ超特急2016”は京都パルスプラザでやるようになって今年が初めての2DAYSなんですよ。まあでも、こればかりは自分たちの力だけでどうにかなるものじゃないですからね。出てくれるアーティストもそうですし、来てくれるお客さんも、作ってくれるスタッフも。僕達は主催者として、来てくれたお客さんに“良かったな”と思ってもらえるような1日にするためにどこまで準備が出来るか。しっかり準備して、当日は思うまま楽しみたいし、楽しんでもらいたいですね。

●“ポルノ超特急2016”は12/24と12/25ということで、みんなのクリスマスイブとクリスマスをROTTENGRAFFTYが独占するわけですね。

KAZUOMI:独占したいです(笑)。是非是非、遊びに来て欲しいです。にゃ。

interview3